【iDeCo・企業型DC】確定拠出年金は続けるべき?シングルマザーが月3万円→5千円に減らした理由

iDeCo・企業型DCとNISAを比較し、シングルマザーが確定拠出年金を減らした理由を解説するアイキャッチ 家計管理・投資

「老後のために、確定拠出年金はやっておいた方がいい」

そう言われて、私もずっと続けてきました。NISAが今の形になるずっと前から、会社の確定拠出年金(企業型DC)で、給料天引きで月3万円。「老後の自分への仕送り」だと思って、コツコツ積み立てていました。

そして最近、私はその金額を、月3万円から月5千円に減らしました。

実は、減らすかどうかは、ずいぶん前から気になっていました。でも「本当にこれでいいのか」と何度も迷って、しっかり勉強して、納得したうえで、ようやく決めた変更です。

しかも、会社の制度では掛金を変えられるのは年に1回だけ。一度決めたら、次に見直せるのは1年後です。だからこそ「なんとなく」では動かせなくて、自分でよく調べてから踏み切りました。

「税制優遇があるのに、減らすなんてもったいない」と思う方もいるかもしれません。私も、ずっとそう思って続けてきました。

それでもこの判断をしたのは、シングルマザーの私にとって、確定拠出年金には見過ごせない「ひとつの大きな弱点」があったからです。

この記事では、確定拠出年金(企業型DC・iDeCo)とNISAの税制メリットを比べながら、なぜ私が「企業型DCを減らして、NISA中心」に切り替えたのかを、正直にお話しします。

先に結論(この記事のまとめ)

時間がない方のために、先に要点をまとめておきます。

  • 確定拠出年金には「企業型DC(会社の制度)」と「iDeCo(個人で加入)」の2種類があり、税の仕組みは共通
  • 最大のメリットは「積み立てるときに税金が軽くなる」こと。ただし原則60歳まで引き出せない
  • 受け取るときに税金がかかることもあり、NISAの「完全非課税」とはここが大きく違う
  • シングルマザーの私は、引き出しの自由を重視して企業型DCを月3万円→5千円に減らし、NISA中心に切り替えた
  • ただし最適な答えは年収や暮らし方で変わる。「自分の状況」で判断するのが何より大事

ここから、ひとつずつ詳しく見ていきますね。

確定拠出年金って、そもそもどんな制度?

まず、簡単におさらいです。

確定拠出年金は「自分でつくる年金」のような制度です。毎月決まった額を積み立てて、自分で選んだ商品で運用し、原則60歳以降に受け取ります。

ざっくり言うと、特徴はこの3つです。

  • 掛金の分だけ、その年の税金が軽くなる
  • 運用で増えた利益に税金がかからない
  • そのかわり、原則60歳まで引き出せない

そしてこの確定拠出年金には、実は2つの入り方があります。それが「企業型DC」と「iDeCo」です。ここを混同しやすいので、先に整理しておきますね。

「企業型DC」と「iDeCo」、何が違う?

同じ確定拠出年金でも、どこから入るかで名前が変わります。

企業型DC(企業型確定拠出年金)

会社が用意してくれている制度です。私が入っていたのはこちら。掛金が給料天引きになっていたり、会社が出してくれたりと、会社の仕組みの中で積み立てます。勤め先にこの制度がある人だけが使えます。

iDeCo(個人型確定拠出年金)

自分で金融機関に申し込んで、個人で始める制度です。会社に企業型DCがない人、自営業の人、専業主婦(夫)の人なども、条件を満たせば自分の意思で加入できます。

表にすると、こんなイメージです。

企業型DCiDeCo
始め方会社の制度として加入自分で金融機関に申し込む
掛金を出す人会社(自分で上乗せできる場合も)自分
主な対象制度のある会社の社員会社員・自営業・主婦(夫)など幅広く
掛金の変更会社のルールによる(年1回などが多い)年1回まで

ただ、どちらも「確定拠出年金」という同じ仲間です。だから、

  • 掛金の分だけ税金が軽くなる
  • 運用益が非課税
  • 60歳まで引き出せない
  • 受け取るときに税金がかかることがある

という、お金にまつわる基本の仕組みは共通しています。なのでこの記事の話は、企業型DCの人にも、iDeCoの人にも、だいたい当てはまります。

私の場合は会社の「企業型DC」で、給料天引きで月3万円を積み立てていました。手取りから自動で引かれるので、「気づいたら貯まっている」感覚で、ずっと続けられていたんです。

いちばんのメリットは「掛金の分、税金が軽くなる」こと

確定拠出年金の最大の魅力は、なんといっても掛金の分だけ、その年の税金が軽くなることです。

NISAにはない、確定拠出年金だけの強みがここです。

たとえば、年収300万円くらいの人が月1万円(年12万円)を確定拠出年金で積み立てたとします。その場合、ざっくりですが、

  • 所得税(税率10%)で約12,000円
  • 住民税(税率10%)で約12,000円

合わせて、年に2万円ちょっと税金が軽くなる計算になります。

掛金が多ければ多いほど、軽くなる税金も増える。だから「節税になるからやった方がいい」と言われるんですね。これは本当にその通りで、確定拠出年金の大きな魅力だと思います。

NISAと確定拠出年金、税制メリットはどう違う?

ただ、「税制優遇がある」と一口に言っても、確定拠出年金とNISAではその中身がけっこう違います。表にまとめてみました。

比較項目確定拠出年金(企業型DC・iDeCo)新NISA
積立時の節税あり(その年の税金が軽くなる)なし
運用益への課税非課税非課税
お金の引き出し原則60歳まで不可いつでも自由
受け取り時の税金控除はあるが課税対象になることも完全に非課税
向いている目的老後資金(長期固定)教育費・老後・予備費など幅広く

こうして並べてみると、違いがはっきりします。

確定拠出年金は「積み立てるときに税金が軽くなる」という、NISAにはない強みがあります。でもそのかわり、60歳まで引き出せないという、大きな制約がある。

NISAは積立時の節税こそないけれど、運用益が非課税なうえに、いつでも引き出せる。この「いつでも引き出せる」が、私にとってはとても大きかったんです。

(NISAそのものの仕組みは、【新NISA入門】むずかしく考えなくて大丈夫。シングルマザーの私がNISAを始めてよかったと思う理由にまとめています。あわせてどうぞ。)

見落としがちなのが「受け取るときの税金」

確定拠出年金の話をすると、つい「積み立てるときに節税できる」ことばかりに目がいきます。私もそうでした。

でも、もうひとつ知っておいてほしいことがあります。それが「受け取るときの税金」です。

あまり知られていないのですが、確定拠出年金は受け取るときに税金がかかることがあるんです。「ずっと非課税」だと思っていると、少し驚くところかもしれません。

受け取り方は、大きく2つ

確定拠出年金で貯めたお金は、60歳以降に、次のどちらか(または組み合わせ)で受け取ります。

  • 一時金として、一括で受け取る
  • 年金として、分割で受け取る

どちらで受け取るかによって、使える控除(税金が安くなる仕組み)が変わってきます。

一括で受け取るなら「退職所得控除」

一時金でまとめて受け取る場合は、「退職所得」という扱いになって、退職所得控除が使えます。

控除の大きさは、確定拠出年金に加入していた年数で決まります。

  • 加入20年以下:40万円 × 加入年数(最低80万円)
  • 加入20年超:800万円 + 70万円 ×(加入年数 − 20年)

たとえば20年加入していれば、800万円までは控除されて税金がかかりません。しかも、控除を引いたあとの金額も、その半分にしか課税されない仕組みです。かなり手厚く優遇されているのが分かります。

分割で受け取るなら「公的年金等控除」

年金として分割で受け取る場合は、国の年金(国民年金・厚生年金)と同じ「公的年金等」という扱いになり、公的年金等控除が使えます。

ただし気をつけたいのは、確定拠出年金の年金は、国の年金と合算して計算されること。公的年金だけでもそれなりの金額になるので、合わせると控除の枠を超えて、課税対象になりやすいんです。

ここがNISAとの、いちばん大きな違い

少しややこしい話が続きましたが、いちばん伝えたいのはここです。

確定拠出年金は、「入口(積み立てるとき)」では節税できるけれど、「出口(受け取るとき)」では税金がかかることがある。一方でNISAは、入口に節税はないかわりに、出口は完全に非課税。受け取るときに税金の心配をしなくていいんです。

つまり確定拠出年金の「節税」は、正確に言うと「税金がゼロになる」のではなく、「払うタイミングを将来に後ろ倒しして、控除でできるだけ軽くする」イメージに近い。ここを知っているかどうかで、印象がだいぶ変わると思います。

とくに注意したいのが「退職金との重なり」

もうひとつ、頭の片隅に置いておいてほしいことがあります。

会社から退職金が出る人は、確定拠出年金の一時金と退職金で、同じ「退職所得控除」を分け合うことになります。受け取る時期が近いと、控除の枠を使い切ってしまい、思ったより税金がかかってしまうことがあるんです。

受け取る年をずらすなどの工夫で軽くできる場合もありますが、このあたりのルールは複雑で、その時々の制度や一人ひとりの状況によって変わります。実際に受け取る年齢が近づいてきたら、最新の情報を確認したり、専門家に相談したりするのが安心です。

正直、私自身もここまで知ったとき、「積み立てるときに得した分、受け取るときにある程度は戻ってくるんだな」と感じました。NISAの「最後まで、まるごと非課税」というシンプルさが、より魅力的に見えた瞬間でもありました。

それでも私が「月3万円→月5千円」に減らした理由

税制メリットを比べたうえで、私は企業型DCを減らす決断をしました。理由は3つあります。

理由1:60歳まで引き出せないのが、いちばん怖かった

シングルマザーの暮らしは、予想外の出費の連続です。

子どもの進学、急な病気やケガ、家の修繕。「今、まとまったお金が必要」という場面が、いつ来るか分かりません。

確定拠出年金に入れたお金は、どんなに困っても60歳まで一円も引き出せない。これが、私にはいちばん引っかかりました。

老後の備えはもちろん大事。でも、その前に「今の暮らしを守れること」のほうが、私には大事だったんです。手元から動かせないお金が大きすぎると、いざというときに身動きが取れなくなる。その不安のほうが、節税メリットより重く感じました。

理由2:NISAなら、同じ「運用益非課税」が引き出し自由で手に入る

確定拠出年金の「運用益が非課税」という魅力は、実はNISAにもあります。

つまり、「投資で増やしたお金に税金がかからない」という点では、確定拠出年金もNISAも同じ。違うのは、確定拠出年金には積立時の節税がつくかわりに60歳まで動かせず、NISAは積立時の節税はないけれど、いつでも引き出せること。

それなら、いつでも引き出せるNISAのほうが、私の暮らしには合っている。同じ「非課税で増やす」なら、自由がきくほうを選びたい。そう考えました。

この「守るより動かす」「縛られるより自由に」という考え方は、保険を見直したときと同じでした。そのときの話はシングルマザーが保険ではなく投資に切り替えた理由に書いています。

理由3:NISAの枠が大きくなって、「両方まで手が回らない」と気づいた

新NISAになって、年間に投資できる枠が大きく広がりました。

私が毎月投資にまわせるお金には、当然かぎりがあります。その限られたお金で、新NISAの枠を使い切るだけでも十分すぎるくらい。

「確定拠出年金もNISAも、どちらも目いっぱい」なんて、私の家計ではとても無理。だったら、引き出し自由で枠も大きいNISAを優先するのが自然だと思ったんです。

わざわざ60歳まで縛られるお金を増やして、NISAの枠を余らせるのは、私にはちぐはぐに感じました。

「やめる」ではなく「減らす」にした理由

ここまで読むと、「じゃあ企業型DCは全部やめればいいのでは?」と思うかもしれません。

でも私は、ゼロにはせず、月5千円だけは残しました。

理由は、いくつかあります。

  • 少額でも、掛金の分だけ税金が軽くなる効果はちゃんと残る
  • 給料天引きなので、意識しなくても老後資金が積み上がっていく
  • ひとつの制度に全部寄せず、確定拠出年金とNISAに分けておきたかった

それに、前にも書いたとおり、会社の制度では掛金を変えられるのは年に1回だけです。もし勢いでゼロにして、あとから「やっぱり続けたい」と思っても、次に動かせるのは1年後。それなら、いったん月5千円まで下げて、しばらく様子を見るくらいがちょうどいい。そう考えました。

「老後資金の土台」として、細く長く続ける分だけ残す。そして、自由に動かせるお金はNISAで育てる。この組み合わせが、今の私にはいちばんしっくりきています。

ゼロか目いっぱいか、ではなく、「自分の暮らしに合う配分はどこか」を考える。それが大事なんだと思います。

年収や暮らし方で、答えは変わる

ここで気をつけたいのは、これはあくまで「私の場合」の答えだということです。

確定拠出年金(企業型DC・iDeCo)とNISAのどちらを優先すべきかは、年収や暮らし方によって変わります。私なりの目安をまとめておきます。

  • 手元のお金に余裕がない・予想外の出費が多い人…まずはNISA中心が安心。いつでも引き出せる強みは大きいです。
  • 所得税率が高め(年収が高め)の人…確定拠出年金の節税効果が大きくなるので、積極的に使う価値があります。
  • NISAの枠を使い切ってもまだ投資にまわせる人…そこではじめて、確定拠出年金を増やすことを考えるのがよさそうです。

「みんながやっているから」「節税になるから」だけで決めず、自分の暮らしに照らして考える。それがいちばん大事だと、私は思っています。

よくある質問(iDeCo・企業型DC)

Q. iDeCoや企業型DCは、途中でやめられる?

新しい掛金の積み立てを止める(停止する)ことはできます。ただし、それまで積み立てたお金を60歳より前に引き出すことは、原則できません。「積立はストップできても、引き出しはできない」と覚えておくと安心です。

Q. 企業型DCの掛金は、いつ変更できる?

会社の制度によりますが、年に1回しか変更できないことが多いです。私の会社もそうでした。「変えたい」と思ったタイミングですぐには動かせないことがあるので、よく考えてから決めるのがおすすめです。

Q. iDeCoとNISA、結局どっちを優先すればいい?

手元のお金に余裕がなく、急な出費に備えたい人は、いつでも引き出せるNISAが安心です。年収が高くて節税効果を大きく受けられる人や、NISAの枠を使い切ってもまだ余裕がある人は、確定拠出年金を活用する価値があります。

Q. 確定拠出年金のデメリット(落とし穴)は?

いちばんは「60歳まで引き出せない」こと。ほかにも、口座を維持するのに手数料がかかること、受け取るときに税金がかかる場合があることが挙げられます。メリットだけでなく、ここも知ったうえで始めるのが大事です。

Q. 収入が少ない人でも、やる意味はある?

積立時の節税は「税金を払っている人」ほど効果が大きい仕組みです。そもそも所得税・住民税がほとんどかかっていない場合は、節税のメリットもほとんど受けられません。その場合は、まずNISAから始めるほうがシンプルだと思います。

おわりに

確定拠出年金は、とてもよくできた制度です。節税しながら老後の備えができる仕組みは、本当にありがたい。

でも、「60歳まで引き出せない」という一点が、今の私には重すぎました。子育ての真っ最中で、いつ何が起きるか分からない。だからこそ、自由に動かせるお金を厚くしておきたかった。

私が選んだのは、企業型DCを細く残しつつ、NISAを中心に育てていくこと。

老後の不安はゼロにはなりません。でも、「今の暮らしも守りながら、未来にも備える」。そのバランスを自分で選べたことで、お金に対する気持ちはずいぶん軽くなりました。

同じように悩んでいるママの、ひとつの参考になればうれしいです。

次の記事では、私が新NISAで実際に選んでいる商品や、毎月の積立のルールについて書いていきますね。

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この記事は2026年時点の制度をもとに、私自身の体験と調べた内容をまとめたものです。税制や制度のルールは変わることがあり、控除額や掛金の上限などは一人ひとりの状況によっても異なります。実際に手続きをする前には、必ず最新の公式情報を確認してください。

  • iDeCo公式サイト(国民年金基金連合会)
  • 国税庁(退職所得控除・公的年金等控除など)
  • 企業型DCについては、お勤め先や運営管理機関の案内

なお、この記事は一般的な情報の紹介であり、特定の金融商品や運用方法をおすすめするものではありません。最終的な判断は、ご自身の状況に合わせて行ってくださいね。

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