NISAとDC、どっちが先?迷ったときの4つの判断軸

家計管理・投資

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私は娘2人と暮らす働くシングルマザーです。新NISAと企業型DC、どちらもやっています。でも最近、こんなことを考えるようになりました。

「NISAの枠を先に埋めたほうが、いいのではないか」

私の企業型DCは掛金を年に1回変更できます。企業型DCの中身についてはこちらの記事で詳しく書きました。だからこれは、実際に選べる話なんです。今日は、私がどんな軸で考えているかをお話しします。答えは人によって変わるので、判断の材料として読んでいただけたらうれしいです。

その前に:我が家は「退職金がDCに変わった」パターンです

まず前提をお話しします。私の勤め先は、途中で退職金制度から企業型DCに切り替わりました。

  • 制度変更の分:約300万円が退職金として支給される予定
  • 制度変更の分:企業型DCで自分で運用

同じような会社は多いのではないでしょうか。「退職金が減った」と感じる方もいますが、正確には受け取り方と運用の責任が変わったということです。この「退職金とDCの両方がある」状態は、あとで出てくる出口の話に効いてきます。

NISAとDCは、そもそも別物です

比べる前に、この2つがどう違うのかを整理します。

企業型DC(選択制)NISA
入口(積むとき)所得税・住民税・社会保険料がかからない手取りから積む(優遇なし)
運用中非課税非課税
出口(受け取り)退職所得として課税対象(控除あり)完全に非課税
引き出し原則60歳まで不可いつでも可
商品会社のラインナップ内自由に選べる

どちらが上ということではなく、得をする場所が違うんです。DCは入口で、NISAは出口で有利になります。

判断軸①:入口の効果はDCが大きい

選択制DCの場合、掛金にしたお金は給与になりません。つまり所得税・住民税だけでなく、社会保険料もかからないということです。

同じ金額を積むなら、DCのほうが手元から出ていく実質的な負担は軽くなります。ここはDCの明確な強みです😊

判断軸②:出口で課税されるのはDCだけ

一方で、DCは受け取るときに課税の対象になります。国税庁によると、企業型DCの老齢一時金は退職所得として扱われます。

退職所得には大きな控除がありますが、上限があります。

  • 勤続20年以下:40万円 × 年数
  • 勤続20年超:800万円 + 70万円 ×(年数 − 20年)
  • 課税されるのは(受取額 − 控除額)× 1/2

我が家の場合、枠はいくら?

私は60歳のとき、勤続33年になります。計算してみました。

退職所得控除の枠を示す図。勤続33年なら控除額は1710万円。うち退職金300万円を差し引いた1410万円が企業型DCの一時金に使える枠。

勤続33年なら控除は1,710万円。ここから確定している退職金300万円を引くと、DCの一時金に使える枠は1,410万円ということになります。

では、いつその枠に届く?

仮に年6%で運用できたとして、掛金ごとにシミュレーションしてみました。現在の残高500万円からのスタートです。

現在500万円から年6%で運用した場合のシミュレーション。月1万円なら14年後、月2万円なら12年後、月3万円なら10年後に控除の枠1410万円に到達する。
  • 月1万円 → 約14年後
  • 月2万円 → 約12年後
  • 月3万円 → 約10年後

つまり、60歳まで10年以上ある場合、今のペースだと控除の枠を超える計算になります。「枠がいくらで、いつ届くか」が見えると、考える材料になりますね🍀

ただし、枠を超えても「大損」ではありません

ここは誤解しやすいところなので、はっきり書いておきます。枠を超えても、超えた分がまるごと課税されるわけではありません。

もし1,710万円受け取ったら
控除を超える金額300万円
課税対象(超過額の1/2)150万円
税額の目安(所得税+住民税)20万円台

300万円多く増やして、税金は20万円台。増やした分のほうが、ずっと大きいんです。「枠に収める」ことを目的にしすぎると、かえって損をする可能性があります。

DCは一時金だけでなく、年金として分割でも受け取れます。その場合は退職所得控除ではなく公的年金等控除が使えます。一時金と年金を組み合わせることもできるので、出口の設計にはいくつも選択肢があります。

受け取る順番やタイミングでも計算は変わりますし、このルールは税制改正で見直されることもあります。DCの控除計算は「勤続年数」ではなく「掛金を拠出した期間」が基準になる点にも注意が必要です。実際の判断は国税庁の情報や専門家への確認をおすすめします。

判断軸③:60歳まで引き出せない

これは私にとって、いちばん大きな論点かもしれません。

DCは原則60歳まで引き出せません。一方NISAは、必要になればいつでも売却できます。私がNISAで買っている商品は新NISAで実際に買っている商品の記事にまとめています。

我が家には大学生と中学生の娘がいます。教育費という、遠くない支出があります。もちろん教育費は現金で準備していますが、「動かせるお金」の余地は多いほうが安心だと感じています🍀

読者さん

60歳まで引き出せないって、けっこう長いですよね…。

miho

そうなんです。だからこそ「これは老後まで触らないお金」と割り切れる分だけ入れる、という考え方もあると思います。

判断軸④:選択制DCは、将来の年金が減る可能性がある

これは意外と知られていない点です。選択制DCで給与を掛金に回すと、その分標準報酬月額が下がります

厚生労働省の通知にも、この仕組みを実施する際は「社会保険・雇用保険等の給付額にも影響する可能性を含めて、事業主は従業員に正確な説明を行う必要がある」と書かれています。

  • 社会保険料が軽くなる(メリット)
  • そのぶん将来の厚生年金が減る(デメリット)
  • 傷病手当金や失業給付なども、計算のもとが下がる

つまり、DCで増やした分と、公的年金が減る分が、一部相殺されるということです。

私はこう考えています

ここまでを踏まえて、今の私の考えです。あくまで私の場合の話として読んでください。

私は今のところ、NISAを優先したいと思っています。理由は3つです。

私がNISAを優先したい理由

出口が完全に非課税で、退職金との合算を気にしなくていい

いつでも引き出せるので、教育費のある今の我が家に合っている

将来の厚生年金を減らさずに済む

ただ、DCの入口の効果も捨てがたいのが正直なところです。だから「DCをゼロにする」のではなく、バランスを少し動かすくらいがちょうどいいのかな、と考えています。

そしてもう一つ大事なことに気づきました。DCを減らすことと、NISAを埋めることは、必ずしもセットではありません。 私のNISA枠にはまだ余裕があるので、まずは家計全体を見直して、そこから回せないかを考えるほうが先かもしれません。家計の全体像はキャッシュフロー表で見えるようになります。

まとめ:正解は1つではありません

NISAとDC、どちらが先か。この答えは、どの軸を重く見るかで変わります

  • 入口の節税効果を重く見るなら → DC
  • 出口の非課税と自由度を重く見るなら → NISA
  • 近い将来に使うお金があるなら → NISAの引き出しやすさが効く
  • 将来の公的年金を減らしたくないなら → 選択制DCは慎重に(老後資金の計算はこちら

私はNISA寄りに考えていますが、収入や退職金の額、家族構成が違えば、答えは変わります。迷ったら、まずは自分の控除の枠を計算してみてください。不安は、数字にすると『やることリスト』に変わります。 😊

自分で計算してみても判断がつかないときは、お金のプロ(FP)に一度相談してみるのも手です。無料で相談できるサービスもあります。

お金のプロに無料で相談してみる

出典

  • 金融庁「NISAを知る」
  • 国税庁「No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)」
  • 厚生労働省「確定拠出年金制度について」(平成13年8月21日 年発第213号)
  • 厚生労働省「確定拠出年金制度の拠出限度額」

※本記事は制度の解説と私自身の考えを書いたものです。特定の商品や運用方法を推奨するものではありません。試算は年6%で運用できた場合の例で、将来の成果を約束するものではありません。制度の詳細は勤務先の規約により異なります。判断はご自身の責任でお願いします。

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