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私は娘2人と暮らす働くシングルマザーです。新NISAと企業型DC、どちらもやっています。でも最近、こんなことを考えるようになりました。
「NISAの枠を先に埋めたほうが、いいのではないか」
私の企業型DCは掛金を年に1回変更できます。企業型DCの中身についてはこちらの記事で詳しく書きました。だからこれは、実際に選べる話なんです。今日は、私がどんな軸で考えているかをお話しします。答えは人によって変わるので、判断の材料として読んでいただけたらうれしいです。
その前に:我が家は「退職金がDCに変わった」パターンです
まず前提をお話しします。私の勤め先は、途中で退職金制度から企業型DCに切り替わりました。
- 制度変更前の分:約300万円が退職金として支給される予定
- 制度変更後の分:企業型DCで自分で運用
同じような会社は多いのではないでしょうか。「退職金が減った」と感じる方もいますが、正確には受け取り方と運用の責任が変わったということです。この「退職金とDCの両方がある」状態は、あとで出てくる出口の話に効いてきます。
NISAとDCは、そもそも別物です
比べる前に、この2つがどう違うのかを整理します。
| 企業型DC(選択制) | NISA | |
|---|---|---|
| 入口(積むとき) | 所得税・住民税・社会保険料がかからない | 手取りから積む(優遇なし) |
| 運用中 | 非課税 | 非課税 |
| 出口(受け取り) | 退職所得として課税対象(控除あり) | 完全に非課税 |
| 引き出し | 原則60歳まで不可 | いつでも可 |
| 商品 | 会社のラインナップ内 | 自由に選べる |
どちらが上ということではなく、得をする場所が違うんです。DCは入口で、NISAは出口で有利になります。
判断軸①:入口の効果はDCが大きい
選択制DCの場合、掛金にしたお金は給与になりません。つまり所得税・住民税だけでなく、社会保険料もかからないということです。
同じ金額を積むなら、DCのほうが手元から出ていく実質的な負担は軽くなります。ここはDCの明確な強みです😊
判断軸②:出口で課税されるのはDCだけ
一方で、DCは受け取るときに課税の対象になります。国税庁によると、企業型DCの老齢一時金は退職所得として扱われます。
退職所得には大きな控除がありますが、上限があります。
- 勤続20年以下:40万円 × 年数
- 勤続20年超:800万円 + 70万円 ×(年数 − 20年)
- 課税されるのは(受取額 − 控除額)× 1/2
我が家の場合、枠はいくら?
私は60歳のとき、勤続33年になります。計算してみました。

勤続33年なら控除は1,710万円。ここから確定している退職金300万円を引くと、DCの一時金に使える枠は1,410万円ということになります。
では、いつその枠に届く?
仮に年6%で運用できたとして、掛金ごとにシミュレーションしてみました。現在の残高500万円からのスタートです。

- 月1万円 → 約14年後
- 月2万円 → 約12年後
- 月3万円 → 約10年後
つまり、60歳まで10年以上ある場合、今のペースだと控除の枠を超える計算になります。「枠がいくらで、いつ届くか」が見えると、考える材料になりますね🍀
ただし、枠を超えても「大損」ではありません
ここは誤解しやすいところなので、はっきり書いておきます。枠を超えても、超えた分がまるごと課税されるわけではありません。
| もし1,710万円受け取ったら | |
|---|---|
| 控除を超える金額 | 300万円 |
| 課税対象(超過額の1/2) | 150万円 |
| 税額の目安(所得税+住民税) | 20万円台 |
300万円多く増やして、税金は20万円台。増やした分のほうが、ずっと大きいんです。「枠に収める」ことを目的にしすぎると、かえって損をする可能性があります。
判断軸③:60歳まで引き出せない
これは私にとって、いちばん大きな論点かもしれません。
DCは原則60歳まで引き出せません。一方NISAは、必要になればいつでも売却できます。私がNISAで買っている商品は新NISAで実際に買っている商品の記事にまとめています。
我が家には大学生と中学生の娘がいます。教育費という、遠くない支出があります。もちろん教育費は現金で準備していますが、「動かせるお金」の余地は多いほうが安心だと感じています🍀

60歳まで引き出せないって、けっこう長いですよね…。

そうなんです。だからこそ「これは老後まで触らないお金」と割り切れる分だけ入れる、という考え方もあると思います。
判断軸④:選択制DCは、将来の年金が減る可能性がある
これは意外と知られていない点です。選択制DCで給与を掛金に回すと、その分標準報酬月額が下がります。
厚生労働省の通知にも、この仕組みを実施する際は「社会保険・雇用保険等の給付額にも影響する可能性を含めて、事業主は従業員に正確な説明を行う必要がある」と書かれています。
- 社会保険料が軽くなる(メリット)
- そのぶん将来の厚生年金が減る(デメリット)
- 傷病手当金や失業給付なども、計算のもとが下がる
つまり、DCで増やした分と、公的年金が減る分が、一部相殺されるということです。
私はこう考えています
ここまでを踏まえて、今の私の考えです。あくまで私の場合の話として読んでください。
私は今のところ、NISAを優先したいと思っています。理由は3つです。
出口が完全に非課税で、退職金との合算を気にしなくていい
いつでも引き出せるので、教育費のある今の我が家に合っている
将来の厚生年金を減らさずに済む
ただ、DCの入口の効果も捨てがたいのが正直なところです。だから「DCをゼロにする」のではなく、バランスを少し動かすくらいがちょうどいいのかな、と考えています。
そしてもう一つ大事なことに気づきました。DCを減らすことと、NISAを埋めることは、必ずしもセットではありません。 私のNISA枠にはまだ余裕があるので、まずは家計全体を見直して、そこから回せないかを考えるほうが先かもしれません。家計の全体像はキャッシュフロー表で見えるようになります。
まとめ:正解は1つではありません
NISAとDC、どちらが先か。この答えは、どの軸を重く見るかで変わります。
- 入口の節税効果を重く見るなら → DC
- 出口の非課税と自由度を重く見るなら → NISA
- 近い将来に使うお金があるなら → NISAの引き出しやすさが効く
- 将来の公的年金を減らしたくないなら → 選択制DCは慎重に(老後資金の計算はこちら)
私はNISA寄りに考えていますが、収入や退職金の額、家族構成が違えば、答えは変わります。迷ったら、まずは自分の控除の枠を計算してみてください。不安は、数字にすると『やることリスト』に変わります。 😊
自分で計算してみても判断がつかないときは、お金のプロ(FP)に一度相談してみるのも手です。無料で相談できるサービスもあります。
お金のプロに無料で相談してみる出典
- 金融庁「NISAを知る」
- 国税庁「No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)」
- 厚生労働省「確定拠出年金制度について」(平成13年8月21日 年発第213号)
- 厚生労働省「確定拠出年金制度の拠出限度額」
※本記事は制度の解説と私自身の考えを書いたものです。特定の商品や運用方法を推奨するものではありません。試算は年6%で運用できた場合の例で、将来の成果を約束するものではありません。制度の詳細は勤務先の規約により異なります。判断はご自身の責任でお願いします。



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