養育費の相場はいくら?もらえない時の対処法【2026年の新制度も解説】

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「養育費って、みんなどのくらいもらっているんだろう」「うちは払ってもらえるのだろうか」——離婚を考えるとき、そして離婚後も、養育費はいちばん気がかりなお金の問題ではないでしょうか。

先に結論をお伝えします。養育費の取り決めがある母子世帯の平均は月額およそ5万円。ただし現実には、「現在も受け取っている」母子世帯は約4分の1にとどまります。そして2026年4月から、この状況を変えるための新しい制度(法定養育費)が始まりました。

この記事では、二人の娘を育てるシングルマザーの私が、公的な調査データと自分自身の体験をもとに、次のことをお話しします。

  • 養育費の相場と決まり方
  • 受け取れている人はどのくらいいるのか(リアルなデータ)
  • 取り決めの方法と、2026年からの新制度
  • もらえない・途絶えたときの対処法
  • 我が家の場合——公正証書を作った私が、いま養育費をもらっていない理由

(※制度・統計は2026年7月時点の情報です。個別の事情については、弁護士や自治体の相談窓口にご確認ください)

養育費の相場は月いくら?

養育費の取り決めをしている母子世帯の平均月額は、こども家庭庁の調査(令和3年度全国ひとり親世帯等調査)で50,485円です。ただしこれは平均で、実際の金額は「支払う側・受け取る側の年収」と「子どもの人数・年齢」で決まります。

目安になるのは、家庭裁判所が公表している「養育費算定表」です。たとえば支払う側が年収400万円・受け取る側が年収100万円くらいの場合、おおまかな目安は次のとおりです。

子どもの人数(14歳以下)月額の目安
1人2万〜4万円
2人4万〜6万円
3人4万〜6万円

あくまでもひとつの例です。正確な金額は、裁判所のサイトにある算定表に、お互いの年収をあてはめて確認してみてください。調停や裁判でも、この算定表が基準として使われています。

データで見る現実|受け取り続けている人は約4分の1

相場を知ると次に気になるのが、「実際、みんなもらえているの?」ということ。データは、なかなか厳しい現実を示しています。

項目母子世帯の割合
養育費の取り決めをしている42.9%
現在も養育費を受けている24.3%
過去に受けたことがある(今は受けていない)15.5%
受けたことがない56.0%

取り決めをしている母子世帯が42.9%と半分以下。そして「現在も受けている」は24.3%です。よく「養育費は途中で途絶える」といわれますが、「過去に受けたことがある(今は受けていない)」という世帯が15.5%あることからも、それが特別な話ではないことが分かります。

離婚したあとは、お互いに新しい生活や家庭を持つなどして、状況が変わっていきます。「決めたのにもらえない」は、残念ながら珍しいことではないのです。だからこそ、取り決めの方法と、もしものときの備えが大切になります。

取り決めは「公正証書」が基本

養育費の取り決めには、大きく3つの方法があります。

方法強制力特徴
口約束・私的なメモほぼなし後から「言った言わない」になりやすい
公正証書(強制執行認諾文言付き)あり裁判なしで差し押さえが可能。作成は公証役場で
家庭裁判所の調停あり合意できないときも裁判所が間に入ってくれる

大事なのは、口約束で済ませないこと。とくに「強制執行認諾文言付きの公正証書」にしておくと、支払いが止まったときに裁判をしなくても給料などの差し押さえ(強制執行)ができます。私自身も、離婚のときに公正証書で取り決めをしました。

「公正証書を作るなんて、相手を疑っているみたいで気が引ける」と感じる方もいるかもしれません。でも、これは相手を責める道具ではなく、将来の選択肢を持っておくための保険です。作っておいたうえで使わないのと、作っておらず何もできないのとでは、心の余裕がまったく違います。

2026年4月から始まった新制度|法定養育費

2026年4月1日に改正民法が施行され、養育費のルールが大きく変わりました。ポイントは2つです。

  • 法定養育費:取り決めをしないまま離婚した場合でも、取り決めができるまでの間、子ども1人あたり月2万円を請求できるようになりました。
  • 先取特権(さきどりとっけん):養育費には優先的な権利が認められ、文書での取り決めがあれば、これまでより差し押さえの手続きがしやすくなりました。

「取り決めていないから何ももらえない」という時代から、「取り決めがなくても最低限は請求できる」時代へ。これから離婚を考える方はもちろん、すでに離婚した方の今後発生する養育費にも関係する制度なので、ぜひ知っておいてください。

我が家のリアル|公正証書を作った私が、いま養育費をもらっていない理由

ここで、我が家の話をさせてください。少し意外に思われるかもしれませんが、私は公正証書で取り決めをしたうえで、いまは「養育費」という形ではお金を受け取っていません

離婚後、状況が変わり、支払いが難しくなった時期がありました。公正証書があるので、給料の差し押さえなど、法的な手段を取ることもできました。でも、考えたのです。元夫は、子どもたちにとっては、たったひとりのお父さんです。憎み続けるほどの相手でもない。そして、支払いを追いかけることに気力と時間を割き続けたら、私の心がすり減ってしまう——。

そこで話し合いの場を持ち、「毎月の養育費」ではなく、誕生日やクリスマス、入学などの節目に、お父さんとしての気持ちを子どもたちに表してもらうという形に変えました。子どもたちは好きなものを買ってもらえて素直にうれしそうですし、私も「今月も振り込まれていない」とイライラせずにいられます。

紙の上で決めたとおりに、何年間も続けていくこと。それは、思っている以上に難しいことなのだと実感しました。離婚のときは、嫌な部分が積み重なって別れるケースがほとんどです。せっかく区切りをつけたのに、養育費のたびにまた揉めて、心をすり減らす——それが本当に子どものためになるのかは、家庭によって答えが違うと思います。

誤解しないでいただきたいのは、養育費は子どもの権利だということです。受け取れるなら、きちんと受け取ってください。私の選択は「受け取らないほうがいい」という話ではなく、「公正証書という選択肢を持っていたからこそ、自分の意思で、我が家に合った形を選べた」という話です。そして家計は、養育費を当てにしない前提で組み立てる。もらえたらプラスと考えるほうが、子どもとの毎日は穏やかになる——これが、私の実感です。

もらえない・途絶えたときの対処法4つ

「決めたのに支払われない」というときは、次の順で動くのが基本です。

  • ①まずは連絡して話し合う:状況の変化(収入減など)があるかもしれません。感情的にならず、事実を確認するところから。
  • ②家庭裁判所の手続きを使う:調停で決めた場合は「履行勧告・履行命令」を申し立てられます(無料)。取り決めがない場合は、養育費請求の調停を起こせます。
  • ③強制執行(差し押さえ):強制執行認諾文言付き公正証書や調停調書があれば、給料や口座の差し押さえができます。2026年からは先取特権により、手続きのハードルが下がりました。
  • ④ひとりで抱えず相談する:法テラス(収入によっては無料相談・費用立替あり)、自治体のひとり親相談窓口、養育費保証サービスなど、頼れる先があります。

どこまでやるかは、金額、相手との関係、そして自分の心の消耗との兼ね合いです。「権利があるから必ず最後まで戦うべき」でも「あきらめるべき」でもなく、自分と子どもの生活を守れる着地点を選んでください。

養育費を「当てにしない」家計づくり

最後に、いちばんお伝えしたいことです。データが示すとおり、養育費を受け取り続けられる世帯は多数派ではありません。だからこそ、家計は「養育費ゼロでも回る」設計にしておくことを強くおすすめします。

養育費が入ればうれしいボーナス、入らなくても生活は揺らがない。この状態を作れると、お金の面でも気持ちの面でも、本当にラクになります。

まとめ|相場を知り、書面で決めて、当てにしない

ここまでの内容をまとめます。

  • 相場は平均で月5万円前後。正確には裁判所の算定表で確認
  • 受け取り続けている母子世帯は約4分の1。途絶えることは珍しくない
  • 取り決めは強制執行認諾文言付きの公正証書が基本
  • 2026年4月から法定養育費(子1人あたり月2万円)と先取特権がスタート
  • 家計は「養育費を当てにしない」設計にしておくと、生活も心も穏やか

それぞれの家庭に、それぞれの事情と離婚の理由があります。正解はひとつではありません。この記事が、あなたとお子さんにとっていちばん穏やかな形を選ぶための、材料になればうれしいです。

参考にした情報源

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