企業型DC、放置していませんか?何も選ばなかった私が変えたこと

家計管理・投資

毎月の給与明細を、すみずみまで見ていますか。私は正直なところ、手取りの金額くらいしか見ていませんでした。でもその中に、将来の自分に大きく関わる項目が入っていたんです。

私は娘2人と暮らす働くシングルマザーです。5年ほど前、勤め先が企業型DC(企業型確定拠出年金)を導入し、私も加入しました。今ではこれが我が家の老後資金の柱の一つになっています。老後にいくら必要かの計算はシングルマザーの老後資金の記事にまとめています。

ただ、最初からちゃんと向き合えていたわけではありません。それどころか、最初の半年ほどは、何も選ばないまま放置していました。

最初の半年は、何も選んでいませんでした

理由は単純で、よく分からなかったからです。導入のときに説明会が一度あり、資料をもらって話を聞きました。でも、その場で「どの商品にしますか」と言われても、何を基準に選べばいいのか分かりませんでした。

  • 商品の名前を見ても、違いが分からない
  • 「元本確保型」と「投資信託」、どちらが自分に合うのか判断できない
  • 聞き返すタイミングもないまま、説明会が終わった

こうして、私のDCは「よく分からないまま」の状態でスタートしました。今思えば、これは私だけの話ではないのかもしれません😅

そもそも企業型DCとは、どんな制度なのか

ここで簡単に整理しておきます。企業型DCは、原則として会社が掛金を出してくれる年金制度です。ただし、普通の退職金と大きく違う点があります。

  • 掛金を出すのは会社。でも、どう運用するかを決めるのは自分
  • 運用の結果によって、将来受け取れる金額が変わる
  • 原則として、60歳になるまで引き出せない

ここが大事なところです。会社がお金を出してくれても、それをどこに置くかを選ぶのは自分なんです。何も選ばなければ、多くの場合は元本確保型(預金や保険)に置かれたままになります。増えもしないけれど、減りもしない場所です。

「会社が出してくれている」と思っていませんか

ここで、私自身がつい最近まで勘違いしていたことをお話しします。私はずっと、自分のDCの掛金は給与から天引きされているのだと思っていました。調べてみると、答えは「どちらとも言える」でした。

企業型DCの掛金を出すのは、制度上は会社です。給与から天引きされるものではありません。ところが、会社によっては「選択制」という仕組みを採っていることがあります。私の勤め先がまさにこれで、給与明細には「ライフプラン給」という項目があります。

選択制DCのしくみ

会社が「ライフプラン給」などの手当を用意する

その手当を、給与として受け取るか、DCの掛金にするかを自分で選ぶ

掛金にした分は給与にならないので、形式上は「会社が拠出」になる

つまり、形のうえでは会社が出しているけれど、もとをたどれば自分がもらえたはずの手当。私の「給与から出ている気がする」という感覚は、あながち間違いではなかったわけです。ちなみに掛金の額は、年に1回変更できます。

そして、この仕組みには知っておきたいメリットとデメリットがあります。

  • メリット:掛金にした分は給与扱いにならないため、社会保険料や税の負担が軽くなる
  • デメリット:そのぶん標準報酬月額が下がるので、将来の厚生年金や、傷病手当金・失業給付などが減る可能性がある

これは私が勝手に言っていることではありません。厚生労働省の通知にも、こうした仕組みを実施するときは「社会保険・雇用保険等の給付額にも影響する可能性を含めて、事業主は従業員に正確な説明を行う必要がある」と明記されています。

正直に言うと、私はその説明を受けたかどうか覚えていません。聞いていたのに、頭に入っていなかっただけかもしれません。ただ、説明されるだけでは身につかないということは、身をもって感じています😅

読者さん

私の会社も選択制なのか、どう調べたらいいんでしょう?

miho

給与明細に「ライフプラン給」「生涯設計手当」のような項目があるか見てみてください。掛金の額を自分で決められる場合も、選択制のことが多いですよ。

実は、5人に1人が「増えない場所」に置いたまま

放置していたのは私だけではありませんでした。運営管理機関連絡協議会の「確定拠出年金統計資料」によると、企業型DCの資産をすべて元本確保型(預貯金・保険)に置いている人は、2025年3月末時点で21.2%。今も掛金を積み立てている加入者だけで見ると20.6%です。

つまり、5人に1人が「増えない場所」に置いたままということになります。

  • 元本確保型は、減らないかわりに、ほとんど増えない
  • 何も選ばないと、多くの場合そこに置かれたままになる
  • 60歳まで引き出せないお金なのに、置き方は決めないまま時間が過ぎる

もちろん、元本確保型が悪いわけではありません。減らないという安心感は確かにあります。ただ、「自分で選んだ結果そこにある」のか、「選ばないままそこにある」のかは、まったく違うと思うのです😊

同じ統計で40代の資産構成を見ると、預貯金が17.8%、保険が6.7%、投資信託などが75.1%でした。多くの人は何かしらを選んでいる一方で、2割前後の人は元本確保型だけ、という状況です。

変わったきっかけは、SNSでした

私が自分のDCと向き合うようになったきっかけは、意外なところにありました。SNSです。

なんとなく投資に興味を持ちはじめて、いろいろな人の発信を見るようになりました。そこで「確定拠出年金」という言葉に何度も出会ううちに、ふと思ったんです。「これ、私も入っているものでは?」と。

そこから自分で調べはじめました。誰かに教わったわけではなく、完全に自己流です。

  • 自分のDCの口座にログインして、中身を初めてちゃんと見た
  • どんな商品が選べるのかを一つずつ確認した
  • 60歳まで引き出せない=長く運用できるお金だと気づいた

長い時間をかけられるお金なら、置き方を変えてもいいのかもしれない。この「使う時期で分けて考える」やり方はNISAで教育費を作る記事でも書きました。そう考えて、少しずつ商品を選び直していきました🍀

今の私のDCの中身

現在は、こんな配分になっています。

私の企業型DCの資産配分を示す円グラフ。元本確保型0%、外国株式39.7%、バランス型20.8%、ゴールド17.4%、日本株式11.2%、外国債券4.3%、外国不動産3.9%、国内不動産2.8%。

中心は外国株式で、全体の約4割です。60歳まで使わないお金なので、長く育てる前提で考えているからです。

ただ、私は「全部を株式に」とは思えませんでした。今でも値動きへの不安はあるからです。そこでバランス型を約2割、ゴールドを約2割組み合わせ、不動産(REIT)も少し入れています。値動きの方向が違うものを混ぜておきたい、という気持ちからです。

  • 中心は外国株式(長く運用できるお金だから)
  • 不安もあるので、バランス型とゴールドを組み合わせる
  • 不動産も少しだけ入れて、値動きの方向を分散する

そして、元本確保型は0%です。何も選ばず放置していた頃とは、まったく違う中身になりました。

選び直して、結果はどう変わったか

2026年3月末時点の運用レポートでは、こんな数字になっていました。

選び直したあとの結果

積み立ててきた元本の、約1.6倍に育っている

直近1年で増えた分のうち、約7割は運用益だった

運用を始めてからの通算利回りは16.64%

特に驚いたのが、直近1年で増えた金額のうち、自分が出した掛金より運用益のほうが大きかったことです。時間をかけて置いておくと、こういうことが起きるのだと実感しました😊

さらに、同じ制度に加入している人たちの平均利回り(直近1年)は14.97%でしたが、私は26.98%でした。同じ制度に入っていても、選び方でこれだけ差が出るということです。

でも、良い年ばかりではありません

ここは正直に書いておきたいところです。同じレポートの利回りの推移を見ると、年によってまったく違います。

  • 2024年9月時点の直近1年:22.08%
  • 2025年3月時点の直近1年:8.16%
  • 2025年9月時点の直近1年:22.55%

8%台の年もあれば、20%を超える年もある。同じ中身でも、その年の相場でこれだけ変わります。

また、私の利回りが平均を上回っているのは、外国株式を約4割持つなど、値動きの大きい配分にしているからでもあります。相場が悪い年には、逆に平均を下回る可能性が高いということです。良いときの数字だけを見て判断しないようにしたいと思っています。

投資信託は元本が保証されていません。私自身、リーマンショックやコロナのような大きな暴落は、企業型DCではまだ経験していません。増えている今の数字は、あくまでこれまでの結果です。

2026年12月から、制度が変わります

もう一つ、知っておきたい話があります。厚生労働省の資料によると、2026年12月から確定拠出年金の拠出限度額が引き上げられます。

会社員の場合、変更後はこうなります。

  • 企業年金がある会社員:iDeCoと企業年金等をあわせて月6.2万円まで(最大4.2万円の増額)
  • 企業年金がない会社員:月6.2万円まで(3.9万円の増額)
  • 自営業者など:月7.5万円まで(0.7万円の増額)

つまり、老後資金を非課税で育てられる枠が広がるということです。増やす前に家計全体を把握したい方はキャッシュフロー表の作り方もどうぞ。ちなみに私は、掛金に自分で上乗せする「マッチング拠出」はまだしていません。この制度変更をきっかけに、あらためて考えてみようと思っています。

まとめ:まず、自分の口座を開いてみることから

企業型DCは、会社が用意してくれる制度です。でも、そのお金をどこに置くかを決めるのは自分自身です。私は最初の半年、何も選ばないまま放置していました。説明会は一度きりで、よく分からなかったからです。

そして調べてみると、掛金のもとは自分のライフプラン給でした。「会社が出してくれているもの」だと思っていたお金は、もとをたどれば自分のお金だったんです。そう分かってからは、置き方をもっと真剣に考えるようになりました。

もし「自分のDC、何を選んでいるか分からない」という方がいたら、まずは口座にログインして中身を見るところから始めてみてください。不安は、数字にすると『やることリスト』に変わります。 見てみるだけなら、今日からできますよ🍀

出典

  • 運営管理機関連絡協議会「確定拠出年金統計資料」(2025年3月末)
  • 厚生労働省「確定拠出年金制度の拠出限度額」
  • 厚生労働省「確定拠出年金制度について」(平成13年8月21日 年発第213号)

※本記事は制度の解説と私自身の体験を書いたものです。特定の商品を推奨するものではありません。制度の詳細は勤務先の規約により異なります。運用の判断はご自身の責任でお願いします。

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